プログラミング教育必修化について 背景と目的は?親は対応が必要?

2020年からプログラミング教育が小学校で必修化されます。

本記事では必修化について下記の3点をまとめています。

  • 必修化された社会的な背景と目的は何か?
  • 必修化によって何が変わるのか?
  • 親は何か対応しないといけないことは何か?

プログラミング教育の内容については別の記事でまとめていますので、プログラミング教育でどんな能力を育てるのか具体的にどんな授業をするのかについて知りたい場合はこちらの記事をご覧ください。

>> プログラミング教育とは何かを簡単に解説

プログラミング教育が必修化された背景

背景にあるのは第4産業革命です。

第四次産業革命とはざっくりいうと下記の2つの技術革新が産業に与えた影響のことです。

  • IoT(Internet of Things)およびビッグデータ
  • AI(Artificial Intelligence)

それぞれが何と引き起こしたと言うと…

  • 多くのものがインターネットにつながり(IoT)、大量の情報(ビッグデータ)が集まるようになった
  • 人工知能(AI)やそれを搭載した機械が人間が行っていた作業や判断の一部を代わりに行うようになった。

例えば、ネット通販で購入したものが今どこを移動中なのかということがインターネットで確認できたり、スマートウォッチに搭載されたAIが体の状態を判断し、危険な時は通知されるようになっています。

スマートフォン、ショッピングサイト、信号機、電子マネー(ICカード)など、今や生活のあらゆる場面でコンピュータやAIが活用されています。

技術革新は多くの社会の課題を解決し、生活を便利にしてくれました。

一方で新たな課題や問題も発生しました。下記のようなものです。

  1. コンピュータやAIに仕事が奪われるようになった
  2. IT機器や情報を扱うために高度な能力が必要とされるようになった
  3. IT技術の維持や発展を支えるための人材が不足するようになった。

1つずつ見ていきましょう。

IT機器や情報を扱うために高度な能力が必要とされるようになった

コンピューターやスマートフォン、その中で使うWebサイトやアプリケーションはますます高度になっており、人間側も使いこなすための知識とスキルを身につけなくてはいけなくなりました。

そして、より重要なのはそういったツールから得られる大量の情報に流されず、正しく活用することができる能力です。

前者は技術の進歩で解決できますが、後者は人が成長することでしか対応できません。

雇用の消失

以前は人間にしかできなかった判断や作業がAIやロボットにもできるようになりました。例えば下記のようなものです。

  • 車を自動で運転する
  • ニュース記事を書く
  • 病院で撮影したレントゲンを診断する
  • 銀行の窓口業務をインターネットで受け付ける

どれも完全な形で実現すれば記者やタクシードライバー、銀行員は失業することになります。

オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授と野村総合研究所が共同で発表した予想によると、労働人口の49%が機械に職を奪われるとなっています。

IT人材が不足

便利なサービスやツールを新たに開発したり、不具合なく動くように維持するには高度なITスキルを持った人材が必要になります。

また、それを仕事で活用するにも知識が必要になります。

以前はIT業界以外では高度なスキルは必要とされませんでしたが、今は金融業界や製造業界でもAIやビッグデータの知識が求められる仕事が増えてきています。

日本以外の国でも同じ課題が生まれており、IT人材の確保は各国がしのぎを削っている状況です。

プログラミング教育必修化の目的

必修化の背景を理解すると、目的は自然と理解できます。

背景のところで出てきた課題や問題に対応できるように子どもを育てるのがプログラミング教育の目的です。

情報機器やそこから受け取る情報を適切に活用するスキルをはぐくむことで、第四次産業革命後の社会に対応できるようにする
AIやロボットに取って代わられる仕事ではなく、人間にしかできないことを仕事にするためのスキルを習得させる

コンピュータやAIに翻弄されながら生活するのではなく、逆にツールとして使いこなし、新たな価値を生み出せる人を育てていくことが求められています。

世界や未来をどうしたいのかを考え、目的や課題を設定するのは人間にしかできないからです。

また、子どもがITスキルを持った人材に育つことでIT人材の不足という社会課題も解決できます。

日本では産業競争力を高めるために必要なIT人材の確保を目的として「日本再興戦略 -JAPAN is BACK-」というものが閣議決定されています。

IT人材の育成は重要な目的になっており、国として取り組んでいるということです。

プログラミング教育によって達成するスキルのレベルについては有識者会議で議論されており、小中高それぞれ次のように示されています。

  • 小学生: 身近な生活でコンピュータが活用されていることや、問題の解決には 必要な手順があることに気付くこと。
  • 中学生: 社会におけるコンピュータの役割や影響を理解するとともに、簡単な プログラムを作成できるようにすること。
  • 高校生:コンピュータの働きを科学的に理解するとともに、実際の問題解決に コンピュータを活用できるようにすること。

必修化によって何が変わるか

小学校では既存の科目の授業の中でプログラミングをからめた課題に取り組むことになります。

これまでの科目の授業内容の一部が変わるイメージです。

よく誤解されていますが、「プログラミング」という教科が新たに作られるわけではありません。

何年生からはじまるのか?

文部科学省が出している小学校プログラミング教育の手引には下記が具体例として書かれています。

  • 4年生 「社会」
  • 5年生 「算数」
  • 6年生 「理科」
  • 6年生 「家庭」
  • 3~6年生 「音楽」

つまり、高学年から開始する学校が多いということです。

ただ、具体的な指導時期、内容は各学校が決めるためそれよりも早くからはじめる学校も出てくると思います。

具体的にどんな授業内容になるのかは別の記事にまとめていますので興味がある方はこちらをご覧ください

>> プログラミング教育とは何かを簡単に解説

中学、高校は現在、検討されているところなのでまだ具体的なことは決まっていません。

親の対応は必要か?

必修化によって親は何か準備をしないといけないのでしょうか?

結論からいうと小学生については準備は特に必要ありません。なぜかというと…

  • これまでの授業のごく一部分に組み込まれるものだから
  • 科目が作られてそれに成績がつくものではないから

単発で実施される学習なので、それが十分に理解できなかったとしても、その後の学習についていけなくなるということはありません。

また、全体のごく一部で実施されるものなので成績への影響もほとんどありません。

ただ、STEAM教育の一環として早くから積極的にITに触れることには下記のようなメリットがあります。

  • 成績に影響が出る中学、高校のプログラミング教育の準備になる
  • 新しい社会の人材として早くから成長できる

小さいうちからあまり成績や就職のことは考えずに、公園で遊んだり、工作をしたりするのと同じ感覚で気楽に遊びとしてはじめてみるくらいの気持ちではじめてみるのがいいと思います。

親も子どもと一緒に学んでおいて損はありません。仕事に活かせる場面があるはずです。

指導要領が変わり、授業がさらに高度化すると親のサポートが必要になる可能性もあります。

今は小学生から参加できるプログラミング教室も増えています。
下記のスクールではは無料体験会をやっています。

意外と親も夢中になるくらい楽しいですよ。