アンプラグドプログラミング教育とはなにか?簡単に使える教材も紹介

本記事ではアンプラグドプログラミング教育について下記の3つを解説します。

  1. アンプラグドプログラミング教育とは何か?
  2. メリットとデメリット
  3. 具体的なやり方と教材

アンプラグドプログラミング教育はプログラミング教育の1つのやり方ですので、そもそもプログラミング教育って何?という方はこちらの記事を先にご覧ください。

>>【小学校で必修化】プログラミング教育とは何かを簡単に解説

アンプラグドプログラミング教育とは?何歳からやるもの?

ひとことで言うとデジタル機器を使わずにプログラミング教育を実施することです。

アンプラグド(Unplugged)という言葉は電源プラグがつながっていないことを意味します。

エレキギターに対してアコースティックギターのことを表現するときにもUnpluggedという表現を使います。

ではデジタル機器の代わりに何を使うのでしょうか?
下記のようなツールを使います。

  • カード
  • ボードゲーム
  • グループワーク

手軽で簡単なものが多いので、未就学児や小学校の低学年向けに実施されることが多いです。

中には大人でも使えるような高度な教材もあります。

なぜコンピューターがなくてもできるのでしょうか?

プログラミング教育の目的がプログラミング技術を習得することではなく、プログラミング的思考を身につけることだからです。

文部科学省が発表している「小学校プログラミング教育の手引き」にも下記のように書かれています。

プログラミングに取り組むことを通じて、児童がおのずとプログラミング言語を覚えたり、プログラミン グの技能を習得したりするといったことは考えられますが、それ自体をねらいとしているのではないということを、まずは押さえておいてください。

出典:小学校プログラミング教育の手引(第二版)

では「プログラミング的思考力」とはなんでしょうか?手引きには下記のように書かれています。

「プログラミング的思考」とは、「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」

出典:小学校プログラミング教育の手引(第二版)

具体化すると、下記のようなことができる能力ということになります。

  1. コンピュータに何をさせたいか明確にする
  2. コンピュータにどのような動きをどのような順序でさせればよいか考える
  3. 一つ一つの動きに対応する命令(プログラム)を理解する
  4. コンピュータが理解できるプログラムに置き換える
  5. プログラムをどのように組み合わせれば自分がさせたいことを実現できるか考える
  6. 命令の組み合わせをどのように改善すれば自分が実現したい動きに近づくかということを試行錯誤しながら考える

6は実際にコンピュータにプログラムを入力して実行してみたり、ロボットを動かしてみたりしないとできない作業です。

一方で、1から5までは必ずしもデジタル機器を必要としません。

「明確にする」、「考える」という作業なので頭の中で考えたり、紙に書いて整理するなどの方法でも学習を進めることができます。

プロのエンジニアやプログラマーも1から5の作業を頭の中で考えたり、ホワイトボードに書くことで進めています。

アンプラグドプログラミング教育のメリット

3つあります。

  • コストが低い
  • パズルや本や紙は子どもにとって扱いやすい
  • 教師、親が教えやすい

1つずつ説明します。

コストが低い

家庭であればPC1台で十分ですが、学校で使うとなるとグループに1台もしくは全員に必要ということになります。

それだけの機器を手配するとなると高い費用がかかります。

アンプラグドであればその費用は発生しませんし、子どもが雑に扱って機器を壊す心配もしなくてすみます。

パズルや本や紙は子どもにとって扱いやすい

子どもは保育園の頃から折り紙や絵本に慣れ親しんでいるので、紙製のパズルや本であれば、違和感なく自然に使い始めることができます。

電源の入れ方や基本操作をあらためて教える必要もありません。

教師、親が教えやすい

プログラミングをやったことがない大人のほうが多数派です。

なので、まずは大人が習得してから…、という流れになると大変ですし時間もかかってしまいます。

アンプラグドな教材であれば親や教師がPCの扱いに慣れていなくても教えることができるので、無理なく、すぐに取り入れることができます。

アンプラグドプログラミング教育のデメリット

大きく分けて2つあります。

  • 実際のプログラミングができるようにはならない
  • 教える側がうまく誘導しないとプログラミング教育にならない

実際のプログラミングができるようにはならない

パズルやグループワークでのプログラミング教育はあくまで導入です。

概念を学ぶものなので実際のプログラミングができるようになりません。

自分が設計したものが自動で動くという重要な体験もできません。

教える側がうまく誘導しないとプログラミング教育にならない

教材の内容はプログラミングに関係のあるものですが、どう関係するのか、実際のプログラミングをするときにどう応用できるのかということを教える側がうまく伝えないとただ思考力を鍛えるものになってしまいます。

教師や親はプログラミングとのつながりをうまく伝える必要があります。

無料ですぐにできるアンプラグドプログラミング

特別な教材を必要とせず、すぐにはじめられるものを2つ紹介します。

  • 動作のフローチャート化
  • 道案内

それぞれやり方を解説します。どちらも紙と鉛筆だけでできます。

フローチャート

手洗いやトイレなどの子どもの日常の動作をフローチャートに置き換える遊びです。

できるだけ細かく具体的に分解します。

例えば手洗いであれば下記のようになります。

  1. 洗面所に行く
  2. 袖をまくる
  3. 水を出す
  4. 手を水で濡らす
  5. 水を止める
  6. 石鹸をつける
  7. 手をこする
  8. 水を出す
  9. 石鹸を流す
  10. 水をとめる
  11. 手を拭く
  12. 袖をもどす

普段、あまり意識せずにやっている行動を分解して考えるのは意外と難しいです。

実際に書き出して普段の行動が実は多くの工程から成り立っていることに気づきます。

ロボットやコンピューターに何かをやらせる場合には動作をできるだけ細かく分解し、具体的に指示する必要があります。

行動や動作のフローチャートを考えることはその指示を考えるための練習になります。

道案内

下図のようなマス目を用意してスタートとゴールを決めます。


出典:CS Unplugged

「進む」「戻る」「向きを変える(上、下、左、右)」だけを使ってスタートからゴールまで道案内をします。

ポイントは1回ずつ動きを指示してもらうのではなく、下記のようにまとめて指示してもらいます。

  1. 進む
  2. 進む
  3. 向きを変える(下)
  4. 進む

実際にその通りに動いてみて、ゴールにたどりつけるかどうか確認することで、一連の指示があっていたか検証することができます。

間違っていた場合にはどこ直せば良いか考えて、試行錯誤を繰り返します。

途中に避けて通らないといけない障害物や必ず拾わなければいけないアイテムなどを設定すれば、難易度を調整することもできます。

目的を達成するために行動を分解して指示を出し、うまくいかなければ修正するという作業は実際のプログラミングに近いので、良い練習になります。

市販されているおすすめの教材

特に有名な教材を2つ紹介します。

ルビーの冒険

プログラミング教育の絵本では最も有名なものと言っていいと思います。

絵本ですが、物語の中に出てくる問いかけを自分で考えることで、プログラミングのための思考力を鍛えることができます。

プログラミングの知識がない親が概念を理解するのにも適しています。

アルゴリズムえほん

プログラミングの基本的な考え方を絵本で学ぶ教材です。

全4巻となっており、親や先生など教える側へのアドバイスやプログラミング教育に使えるツールも紹介されています。

その他の教材

本以外にもポッキーのメーカである江崎グリコが作った「グリコード」やGoogleのプログラマーが開発した「Robot Turtles」など、様々な教材があります。

アンプラグドプログラミング教材については別の記事でまとめて紹介していますので、興味がある方はそちらをご覧ください。
>>リンク

まとめ

学校で実施するのであれば特別の機材が不要なアンプラグドプログラミングのメリットは大きいですが、家庭で実施するのであればアンプラグドにこだわる必要はありません。

今やどこの家にもスマートフォンやPCがありますし、そういったデバイスで使えるプログラミング教育用のアプリやツールは豊富にあります。

そういった教材であればより実践的なことを無料で学べますので、そちらを検討しても良いと思います。

ますは色々と試してみて子どもが楽しいと思うものを選ぶのが重要です。